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不定期でオリジナルの小説を投稿していきます。

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私が髪を切った理由
 今日私は決意した。 「当店のご利用ありがとうございます。担当させていただきます松野と申します。よろしくおねがいします」 「よろしくお願いします」 「本日はどうされますか?」 「ショートに……しようかと思って」 担当の松野さんは私の黒く腰の辺りまで伸びた髪の毛を触って困り顔でこういった。 「ショートですか、差し出がましいようで恐縮ですが、髪質もいいですし、カラーもしてないですよね?」 「その……カラーもやっちゃおうかなって思って」 私は肩をすぼめながら、美容師さんの意見を全否定し... ...続きを見る

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2013/09/21 10:21
銀狐23
思ったとおりあのおじさんがタバコを吸いながらスタッフの人と話をしていた。それが雑談なのか仕事の話なのかはわからなかったがおじさんには聞きたいことがある。 私は二人に近付き声をかけた。 「あ、あの」 私の声に反応したのはスタッフの人だった。視線をこちらに向けるとおじさんも振り返った。 「やぁ、久しぶりだね。今日はどうしたの? 銀狐のステージならついさっき断られたところだ。ケチな箱だよねぇ」 私に同意を求められても返す言葉が無い。 「あの、ステージを見たいって言うのもあるんですけど、銀狐... ...続きを見る

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2013/09/10 21:03
銀狐22
牧元が我慢の限界を爆発させ、体育会系の部員をぶちのめした日から数日、彼はそんなことあったあっけ?とでもいうような今までどおりの接し方をしているおかげで最初は戸惑っていた生徒たちもあいさつをするくらいにはなっていた。 ...続きを見る

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2013/09/04 18:52
銀狐21
 「……治ったの?」 人の回復力でこんなに早いのは異常でしかない。 「最初から投げたりしないで俺の力借りてればよかったのに、なぁ譲ちゃん」 また『俺』と言った。今はノリで使うような場面でもないし、私のことも『譲ちゃん』になっている。 「余計なことをベラベラ喋るな。この身体は僕自身のもので、お前からは一時的に力を借りただけだ。対価だって支払っただろう。勝手に喋るなら対価を返すか次では無償で力を貸せ」 「たかだか左手一本治すのに俺の力を使わなきゃいけないならもっともらったって良いくらいだ。... ...続きを見る

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2013/05/04 18:50
銀狐20
 「あ、と、えっと今のは?」 いまさっき指から抜き投げた指輪を回収している牧元を見ながら私はどう反応したらいいのか迷っていた。 「今のは気にしないで。先輩たちにちょっと悪いことしちゃったな……。あ〜あとできれば今後もいつもどおりに接してくれると嬉しいかな」 私の質問には一切答えてくれる気はないようで横をすり抜けてエレベータへ乗り込もうとしている。授業はすでに始まっている時間だが、どうせ遅刻扱いになるなら5分も10分も変わらないと考えて牧元は音楽室のギターの無事を確認しに行くのだろう。私も遅... ...続きを見る

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2013/04/25 10:44
銀狐19
 私は牧元のもとへ急いだ。きっと先輩たちのほうはさっき職員室に走っていった生徒が何とかしてくれているはずだ。階段を二段飛ばしで駆け下り、ほかの生徒にぶつかりそうになりながら一階に着いたところでいきなり階段下のスペースに引きずりこまれた。  「きゃっ」  「落ち着け、何もしない。俺だ」 ...続きを見る

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2013/04/24 12:33
銀狐18
 私が教室につくころにはケンカはすでに始まっていて、男子たちがベランダから下を覗き込んでいた。  「今日も牧元勝つかな?」  「勝つだろ。この前のだって正当防衛って主張するために一発くらったわけだし、手ぇ抜く理由がもうないならボコボコにするよ。うわ、あいつ手でバッド受け止めやがった」  私も様子を見るためにベランダに出たところで、「残念、後ろは一番ガードが固いんだよ。今日は特にね」という声が聞こえてきた。  「なんでか知らないけどギターが家になかったんだ。先輩ご存知で? フォトジェニック... ...続きを見る

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2013/04/11 18:40
銀狐17
 昨日の抜糸は痛かった。あんないたい思いをするなら先に潰しておくべきだったとつくづく思う。きっと今日も何人かでやってくるんだろう。二度あることは三度ある、という言葉があるくらいだし。でもそれと同じように仏の顔も三度までということばもあるのだ。おそらく仏の顔で迎えてやる回数はもう過ぎているはずなのだ。この前は正当防衛のためにと言い聞かせて一発くらってやったけど、今日は無傷で良い。返り討ちにあって勉強しないやつがいけないのだ。的な内容の日記を今朝読み返して感じた。  日記を読んでいて、実際どんなこ... ...続きを見る

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2013/03/26 20:41
銀狐16
 朝の質問は私が考えているほど複雑なものではなかったらしい。本来学校を休んでいなければいけないのに学校に来て、帰りの方向も違ったために何かあったのではないかということだった。それと同時に牧元の校内での知名度の高さを再確認させられた。転校初日から上級生に絡まれて返り討ちにし、昨日の報復にも怪我はしたもののほぼ完勝、それでいて柔和な笑顔と人の輪に自然と溶け込むことができる技術のおかげなのだろう。あれほどいろんな意味で完璧な人間に出会ったことはないと思う。 ...続きを見る

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2013/03/26 19:44
銀狐15
 駅で牧元と別れて始業の前にギターを置くために少し駆け足で学校へ向かった。預けられたギターは私が思っていたよりも重く、学校についたころにはうっすらと汗をかいているほどだった。エレベーターで音楽室のある三階へ向かった。  音楽室について牧元に言われたとおりに機材が置かれているところを探したのだが、見つけることができなくて音楽室の隅の邪魔にならなそうなところにギターを立てかけて教室に戻った。 ...続きを見る

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2013/03/26 16:08
銀狐14
 翌朝、駅のホームでまた牧元と会った。彼は駅員となにやら雑談をしながら自分で車イスの前輪を浮かせて電車に乗り込み、ドアが閉まるまで会話をしていた。私はドアが閉まって二人の会話が途切れたところで声をかけた。  「牧元君おはよう」 自分の乗り込んだドアの前で車イスのブレーキを固定した牧元は一瞬不思議そうな顔をした後、すぐにいつもの笑顔に切り替わった。  「おはよう、遠藤さん。コンタクトしてないからちょっと見えにくくて」  苦笑気味に言う牧元に気にしなくていいよと返つつよく見てみると服装が昨日... ...続きを見る

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2013/03/23 14:42
閑話休題
 牧元と遠藤についてちょっと書いてみようと思います。 ...続きを見る

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2013/03/12 12:57
銀狐13
 楽屋で牧元と話をしていて、ライブが終わってからちょっとした打ち上げにも参加しないかと誘ってもらったのだが、ライブを見に来た側の人間であり、まして未成年ということもあって丁重にお断りして自宅へ帰ってきた。  それからいつもどおりに食事をして、お風呂に入って宿題を片付けている間もずっとどこか上の空で頭の中には銀狐として演奏している映像が繰り返し再生されていた。学校の休み時間でお遊びで弾いている音や動きとは明らかに違っていて今回の演奏のせいでどの程度の実力があるのかわからなくなってしまった。   ...続きを見る

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2013/03/12 10:28
銀狐12
 牧元の演奏は素人の私から見ても素晴らしいものだった。強弱のつけ方や私なんかが気づくことのできないテクニックがふんだんに盛り込まれていて客席の盛り上がり具合はすごいものだった。 自分の学校に転校生とは言えどもすごい才能を持っている人物がいるなんて想像もしなかった。であると同時に牧元がこのタイミングで私をライブに招待したのかということも気になっていた。  偶然ギターを取りに来てエレベーターに乗り合わせただけでわざわざ顔を隠しているライブをクラスも違う私に教えることなのだろうか。少なくとも私は情報... ...続きを見る

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2013/03/06 20:19
銀狐11
 「まぁ、チョコ食って供物になるなら初代よりはいい神様に会えたんだろう。あと半年しか保たないってのも半分嘘なんだろう」  このおじさんと牧元がいったいどこで知り合って現在の関係になのかも定かじゃないのにあれこれ口を挟むことはできない。  「お客さんのなかに今の銀狐は三代目だって話してた人がいたんですけど、それは違うんですか?」  「ある種の銀狐の原型はいる。ただ客やスタッフが銀狐と言う名前で呼びはじめたのはアイツが二代目だ」  今日、登場する人が人気なのか銀狐のもつネームバリューがあるか... ...続きを見る

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2013/03/02 11:06
銀狐10
 「おーい、嬢ちゃんチョコレート買ってきてくれないか?」  バーカウンターでウーロン茶をもう一杯もらおうとしたところで楽屋から出てきたおじさんに声をかけられた。  「チョコ、ですか?」  「そうだ、なるべく苦いやつが好みなんだとさ」  ということは、チョコを所望しているのは牧元ということになる。私は近場のコンビニでビターチョコを購入してライブハウスに戻ってきた。おじさんに付き添われて牧元のいる楽屋まで行くと、ちょうどこちらに背中を向けて楽譜とギターをいじっている牧元がいた。足音なのか気配... ...続きを見る

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2013/03/01 19:07
銀狐9
 おじさんと一緒に小さな楽屋について早速着替えを始める。銀狐の衣装は伝統的に和装ということになっている。僕は和装について知識がないのでおじさんにされるがままにしているしかない。  「ほれ、後ろ向け」  「おじさん、わかってるかわかんないけどもう半年くらいしかもたないよ」  おじさんに背中を向けて表情が見えないようにして話しかける。  「いや、意地でも一年は続けてもらう。そう言う契約だろ?」  同じような着物の色ちがいをいくつも着せられ帯をしめられる。  「契約は毎日見てるから大丈夫だ... ...続きを見る

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2013/02/23 21:54
銀狐8
 地下に降りたって防音仕様になっている扉を開けるとかすかに色々な楽器の音が聞こえてきた。ライブハウスという場所に来るのがはじめてのことなので自分がどの辺りにいればいいのかわからずに会場をウロウロしていると後ろからおじさんが声をかけてきた。  「まだ開場前だから見ててもつまらないだろう」  声に反応して振り返るとタバコをくわえたおじさんが立っていた。さっき牧元が電話で話していた人だろうか。  「すみません、こういうところ初めてなので。邪魔なら別のところで待ってますので」  「あ〜邪魔とかそ... ...続きを見る

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2013/02/22 18:42
銀狐7
 やって来た電車に乗り込み、牧元は優先席の隣に車イスを固定して私は近づきすぎないように微妙な距離をあけて優先席に腰かけた。  「遠藤さんはどの駅から電車に乗ってくるの?」  今度は牧元から会話を振ってくれた。よく考えればエレベータに乗っている時間より電車に乗っている方が長いのだから、そう多くない話題を残しておくべきだったと今さら気がついた。  「私はここから四つ目の稲毛ってところから」  「そうなんだ。今日は稲毛でやるから帰りは大丈夫そうだね。駅からもそんなに離れてないから」  そこ... ...続きを見る

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2013/02/21 23:47
銀狐6
 「チェリーって色なんだ。きれいでしょ」  屈託なく笑いながら牧元はギターのボディーを見せてきた。そんな血みたいな色きれいなわけない。ましてや昨日の流血を見ている私からはきれいとはかけ離れた色だ。  「そうだね。いい色」  だけどそんなことをストレートに私が言えるわけもなく自分の意見とは正反対の言葉を発していた。普段はかけていて当然の通学鞄が車イスの後ろにないのをなんとも言えない感情で見つめながら後ろをついていく。  車イスでも私の歩く速度と変わらないスピードで動いているのを発見し、彼の... ...続きを見る

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2013/02/20 18:18

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